ジョングルールとは、フランス語で放浪芸人・放浪楽師のことです。 中世のころ、ジョングルールたちは音楽を演奏したり、大道芸のような見せ物をしながら、 町から町、村から村へ旅して歩いていました。 ある町で祭りがあると聞けば、行ってダンス音楽を演奏し、 貴族の館に招かれれば、行って歌の伴奏をし、様々な場所で人々を楽しませる音楽を提供していました。

ジョングルールの得意とする楽器は、フィドル、バグパイプ、ハーディ・ガーディなど民衆の楽器です。 これらの楽器のもつ一風変わった音色は、中世の人々の心に深く響いたことでしょう。 中世の絵画にも、これらの楽器を演奏するジョングルールの姿がいろいろ描かれています。

残念なことに、ジョングルールの音楽は一部を除いて残されていません。彼らは即興で演奏することも多く、また楽譜に記して残しておく手段も待たず、さらにその必要性もなかったからです。しかし、聖職者の書き留めた断片的な旋律や、民衆歌謡に起源をもついくつかの歌曲集などから、彼らの音楽を想像することはできます。

音楽で民衆を熱狂させていたであろうジョングルール。
その精神と音楽を追い求めるのが、ジョングルール・ボン・ミュジシャンです。